治療案内

歯を長期的に守り、患医双方の納得の治療をめざしております。

歯周病治療

健康な歯肉から重度歯周炎

健康な歯周組織

図のプローブ(歯周組織の進行度を調べる器具)を用いて、歯周病の診査をします。歯周ポケットの深さは歯肉の健康度合いを知る指標です。

プローブは歯と歯肉の境目に入らず、歯肉は引き締まり、ピンク色をしています。

歯を支える骨は十分な高さを保っています。

歯肉炎

この段階では、歯と歯肉の境目にプローブは入りません。

矢印の部分の歯肉が若干腫れています。また、出血が見られることもあります。

歯肉だけの炎症ですので、歯を支える骨は破壊されません。

軽度歯周炎

歯肉に炎症が起き、歯周ポケットができます。

歯周ポケットの測定は、歯周病の進行度を調べます。

出血が見られ、また歯肉が腫れ、歯周ポケットができます。

歯を支える骨も破壊され始めます。

中等度歯周炎

歯周ポケットは4~6mm程度になり、根の表面に多量に歯石が形成されています。

出血が見られるだけでなく、膿がでるため、口臭もひどくなります。

根の長さの半分程度まで歯を支える骨は破壊され、歯が動くようになります。

重度歯周炎

歯周ポケットは6mm以上を示し、根の先端付近まで入る場合が多くなります。歯周ポケットの細菌は、血流に入り込みます。現在、種々の全身疾患と歯周病との関連に関する論文が多くなっています。

口臭もひどくなり、歯がぐらぐらになって、噛めなくなります。

歯を支える骨は、ほぼ根の先端まで吸収されます。

歯周治療の進め方

①初診・歯周組織検査

図1

歯周プローブを使用して歯周組織の破壊の程度を調べます。

②診断・治療計画

図2

歯周組織検査を基に、図の歯周病の因子を考慮して診断と治療計画を立てます。

③歯周基本治療

無題

図のように歯肉縁下のスケーリング・ルートプレーニングが標準的な治療手段です。治療後には歯周病の進行度に影響されますが、歯の間に隙間が開きます。また歯周病の原因因子の除去も並行して行います。

④歯周組織検査(再評価)

図3

治療前

図4

再治療後

再度歯周プローブを使用して歯周組織の反応を診査します。

⑤歯周外科治療(組織付着療法、歯周組織再生療法、切除療法、歯周形成外科手術)

歯周基本治療で改善の見られない部位に行う治療です。

組織付着療法 歯根面に残っている原因因子を明視下で除去します。

症例1

図6

図7

歯周組織再生療法 特殊な液を使用して歯周組織の再生を促します。

再生療法の項目参照)

症例2

図17

図18

切除療法  歯肉縁下に進行している虫歯の処置も同時に行います。

症例3

図8

図9

歯周形成外科 小帯の切除と共に上あごの歯肉を移植して審美的な改善も行います。

審美歯科の項目参照)

症例4

図10

図11

⑥歯周組織検査(再評価)

口腔機能回復治療

症例1の治療後

図12

組織付着療法後

図13

補綴物セット後約10年後

図14

術前のレントゲン写真

図15

約11年後のレントゲン写真

重症の歯周病の状態ですが、一部骨の再生も見られます。

歯周病によって失われた口腔の機能(咬み合わせ、審美、発音など)を回復するために行う治療(歯周外科治療後の治療)です。

症例2の治療後

無題

術前のパントモ写真
矢印のところが約1年後のレントゲン写真では改善されています。

図19

約1年後のレントゲン写真

症例3の治療後

図20

補綴物セット時

図21

約15年後の若干歯肉の退縮が見られます。

症例4の治療後

図22

治療終了時

図23

約15年後

小帯もなくなり、ブラッシングが行いやすい環境です。

➆歯周組織検査(再評価)・メインテナンス

歯周治療により治癒した歯周組織を長期間維持し、歯周病の再発を防ぐために重要です。