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歯を失うことは心疾患のリスク増大に関連

2015.07.16

成人で歯を失うことは、糖尿病や肥満、高血圧、喫煙といった心疾患の危険因子とも関連していることが、スウェーデン、ウプサラ大学医療科学部のOla Vedin氏らの研究で示唆され、サンフランシスコで開催された米国心臓病学会年次集会で発表された。
残存歯(残っている歯の数)と歯肉出血の頻度に関して調査した39カ国16,000人近くのデータを分析した。被験者の約40%が残存歯は15%未満であり、16%は歯がなく、25%は歯肉出血を報告した。歯の数が1本減るごとに、炎症と動脈硬化を促進する有害な酵素レベルが上昇した。
歯の数が少ないと、悪玉のLDLコレストロール値や血糖値や血圧の上昇、胸囲の増大などの心疾患リスクマーカーも増えた。
歯が少ない人は、糖尿病になる可能性も高く、歯の数が有意に減少するごとにリスクが11%増大した。現喫煙者と元喫煙者も歯の脱落と関係しており、歯肉出血と血圧の高値と関連していた。
同氏は、「歯周病が実際に心疾患を引き起こすかどうかはまだわからないが、この2つの疾患は独立して共通の危険因子を持つ可能性がある」といっている。