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口呼吸の害と対策(あいうべ体操)
67.2%の児童が口呼吸状態にあるという報告があります。そして、口呼吸の害には、次のようなものがあります。
(1)口呼吸は鼻呼吸と比較すると1.85倍で気管支喘息を発症しやすくなり、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などの免疫疾患の原因にもなります。
(2)口呼吸の児童は、鼻呼吸の児童と比較して肺機能検査の結果が劣っています。
(3)運動持続力の低下を引き起こし、頭部前傾や頸椎前弯の状態になり姿勢も悪くなります。
(4)ものをうまく飲み込むことができず、発音も正しくできなくなります。
あいうべ体操
1セット4~5秒程度のゆっくりと大きな動きで10回連続して行い、1日に3回繰り返すことを目標にしてください。
日本歯科医師会雑誌 vol.72 No.12 2020-3 p31~39から改変引用
ダブルブラッシング法で虫歯予防!
少ないフッ化物配合歯磨き剤でブラッシング後に多数回うがいをする人は、虫歯の予防効果は半減します。虫歯予防は、お口の中に歯磨き剤に含まれるフッ化物をできるだけ長く留めやすくすることです。1回目のブラッシング後にうがいをしなければいいのですが、現在は、ウイルスの感染が心配です(ニュース 「歯周病でコロナウイルス感染?」参照)。口腔内を十分洗口した後、再度ブラッシングを行いましょう。これをダブルブラッシングと言います。コツとしては、歯ブラシにフッ化物配合歯磨き剤をつけて、歯全体に延ばすように広げて軽くブラッシングします。そして、口の中に溜まった唾液を吐き出して終了です。どうしても気持ちの悪い方は、わずかな量の水で軽く洗口して下さい。
歯周病でコロナウイルス感染?
日本口腔保健協会 2015/12/1発表より引用
歯周病原菌は、インフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくする酵素プロテアーゼを出します。この酵素は抗ウイルス薬では抑制できないため、口腔内を不潔にしておくとインフルエンザ感染を助長します。右の図は、口腔内細菌の生息部位です。
毎日の口腔ケアで口腔内の細菌を減らすことが、インフルエンザ予防につながります。
・歯ブラシ、歯間ブラシやフロスを使用しますが、舌ブラシも使用することをお勧めします。
また、舌磨きは口臭予防にもなります。
1.舌を思いっきり前に出し、軽く噛む。
2.舌ブラシを奥からゆっくりと手前に動かす。
3.軽い力で行う。
・最後にうがいをしましょう【除去しきれない口の中全体(歯肉、舌、咽頭粘膜など)を殺菌します】。
ヨード系うがい薬がコロナウイルスには効果的と言われています。ただ、歯が着色することがあるので、気になる方はアルコール系うがい薬でもいいでしょう。
コロナウイルス感染による初期症状として味覚異常が起こるのは、なぜ?
日本歯科医学会連合 新型コロナウイルス感染症対策チーム 2020/4/6発表より引用
右の図のように、重症の場合、コロナウイルスは気道細胞に感染し、肺炎を発症し、呼吸困難に陥ります。作用機序は、コロナウイルスのsタンパク質がACE2受容体に結合した後にタンパク質分解酵素(TMPRSS2)によりsタンパク質が活性化され、気道細胞に取り込まれ感染を起こします。
味覚障害は、一般的にインフルエンザによる感染でも起こりますが、現在猛威を振るっているコロナウイルスでも初期の症状として起こっています。
図で説明したコロナウイルスと結合するACE2受容体は、体内のあらゆる個所に存在し、口腔内では特に舌に多く分布しています。そのため、コロナウイルスが舌にある味蕾細胞上のACE2と結合し、味蕾細胞を破壊するために起こるものと思われます。
体内への入口である口腔は、鼻腔とともに咽頭や気道に先んじて感染するものと推測されます。初期の場合、鼻腔や口腔だけが感染している可能性も十分考えられます。すなわち、発熱や咳や呼吸困難がなくとも、味覚障害だけが現れることもあります。味覚障害は新型コロナウイルス感染の自覚症状のシグナルと思ってください。
新型コロナウイルス感染予防対策についてのお知らせ
コロナウイルスは、どれくらい生きられる?
診療時間変更のお知らせ
10月7日は研修会のため、4時半までの診療になります。
パート歯科衛生士募集
診療時間について
当面、18:00以降の診療は、(月)、(水)、(木)になります。
また、変更になる場合がありますので、電話にて確認して下さい。